
- コインパーキングは、ゲート式・フラップ式・チケットパークの3種類
- 郊外ならゲート式、街中ならフラップ式がGOOD。管理会社の駐車場利益を最大化させるテクニック
- 初期費用は3台分で200万円、20台分で400万円?狭い土地だとコスパが悪い
- 管理会社と一括借上契約をすると、初期費用ゼロで運営もすべてお任せ
- 一括借上契約は、契約年数が短いと賃料が減る仕組みなので要注意!
- 駐車場管理会社の上手な選び方

こんにちは!土地活用プランナーのオオタニです。
コインパーキング経営を検討していると、次のようなことが気になりませんか?
- いろんなタイプのコインパーキングを見かけるけど、どんな種類がある?
- 種類ごとに、初期投資費用は違うもの?
- コインパーキングを始めるには、パートナーとなる管理会社をどうやって選ぶ?
コレらの疑問を解決するのが、この記事です。
今回は、駐車場管理会社に勤めていて、ライターでもある”PaPa-Rider”さんにインタビュー。
コインパーキング経営の裏側に至るまで、教えてもらいました!
福岡県の管理会社に勤務しており、コインパーキングの管理運営や設計施工、自走式立体駐車場の施工管理などを経験。
【保有資格】一級建築施工管理技士・一級土木施工管理技士・FP3級・測量士補・ドローン検定3級
※PaPa-Riderさんへは、ランサーズを通してインタビューを依頼しました。

最初に結論を言ってしまうと、コインパーキングには大きく分けて次の3種類があります。
- ゲート式
- フラップ式
- チケットパーク
そしてこれらのどれを選ぶかで、初期費用に差がでてきます。
ただしコインパーキング経営は、初期費用「0円」で始められる一括借上契約でスタートすることがほとんど。
その場合、経営に必要な設備機械は駐車場の管理会社がリースします。
設備にかかる初期費用はかかりませんが、リース料は毎月の収入から差し引かれるので、どれを選ぶかは重要な問題ですね。
長期運営を目指して、リースではなく設備を購入する地主さまもいますが、それには数々のデメリットが伴うので、正直あまりオススメしません。
これからコインパーキングをはじめるにあたって必要な情報は網羅していきますので、ここで概要を掴んだら、駐車場の運営会社に詳しい資料を請求してみてくださいね!
コインパーキングはゲート式・フラップ式・チケットパークの3種類
冒頭でお伝えしたとおり、コインパーキングは大きく分けて、ゲート式・フラップ式・チケットパークの3種類があります。
これらのどれを選ぶかは、土地の広さや運営期間で使い分けしています。
土地が広く、車室数を多く確保できるなら、ゲート式
ゲート式にするなら、敷地が広く、台数を多く確保できる土地がオススメです。
また、コインパーキングと月極駐車場を併用するのであれば、ゲート式のメリットを最大限に活かせます。

逆にデメリットとしては土地の形状にもよりますが、機械を設置する分、車室数が減ってしまうことです。
狭小地や車室数が20台までなら、フラップ式
フラップ式にするなら、狭小地や、車室数を最大限に確保したい場合にオススメです。
車室数20台程度までは、フラップ式の方が機械設備にかかる初期費用は安くなります。
運営期間が短いなら、初期費用安のチケットパーク
チケットパークとは、簡単に言ってしまえば、土地に発券機をただ置くだけのものです。
前払い式で、利用者には発券されたチケットを車のダッシュボードなど見えやすいところに置いてもらいます。
マンションを建設予定地で、着工にはいるまでの半年とか1年とか、短期運営の場合によく使われますね。
地面は舗装せず、砂利や土のまま運営されることが多いので、初期費用が安く抑られます。
逆にデメリットは、しっかり管理しないと不正駐車が発生しやすいことです。
あとチケットパークには「カメラ認証タイプ」もありますが、これは店舗等で、お客様の手間削減や不正駐車抑止のために利用されることが多いです。
精算機はもちろん、多数のカメラや通信費がかかるので、コスト高になりやすい傾向があります。
郊外ならゲート式、街中ならフラップ式がGOOD。管理会社の駐車場利益を最大化させるテクニック

さっき言っていた「ゲート式のコインパーキングは、月極と併用すると良い」というのは、なんでですか?

月極スペースも使っていない間は、コインパーキングとして貸してしまう
まず前提として、ゲート式駐車場では、車室の指定を行わないようにします。
そして利用者には定期券で入出庫してもらい、空いている車室に停めていただきます。
たとえば、わかりやすく100台の駐車場に50台の月極契約者がいるとしますね。
本来なら、コインパーキングに50台入庫したら満車になるはずです。
ところが我々管理会社は、70台入庫するまで満車にはしません。
月極駐車場の利用者は一般的に、自宅周辺で夜間停めているか、職場の周辺で昼間に停めているかのどちらか。
月極車両の在車率は6割~7割なので、使っていない間は、コインパーキングとして貸してしまうわけです。
この方法がとれるのは、管理会社が日々の利用状況をモニタリングしていればこそ。
ゆるくしすぎると、
月極契約しているのに停める場所がない!
逆に、キツくしすぎると、
たくさん車室が空いているのに満車表示で一般車両が入れない!
……という苦情が発生してしまいますから、絶妙な満車設定が必要になります。
月極よりコインパーキングの方が収益は上がりやすい

月極駐車場とコインパーキングは、併用した方が利益は上がりやすいということですか?

コインパーキングと月極駐車場との併用は、どちらかといえば郊外向きです。
一般車両の回転数が多い街中の土地なら、コインパーキングだけの方がよほど利益は上がりやすいですね。
どうしても時間貸し駐車場として運用できる需要のない地域のみ、月極専用の提案をしています。
初期費用はフラップ3台分で200万円、20台分で400万円?狭い土地だとコスパが悪い

ゲート式、フラップ式、チケットパークで、それぞれ初期投資費用ってどのくらいするんですか?

その理由は後で語るとして、管理会社は機器類をリースしているので、その価格でご説明しますね。
3種のコインパーキング、それぞれの初期費用は?
ゲート式、フラップ式、チケットパークそれぞれの初期費用価格帯は次のようになります。
ゲート式 (出入口1セットの場合) |
約400万円 |
フラップ式(3台) | 約200万円 |
フラップ式(20台) | 約400万円 |
チケットパーク(10台) | 約150万円 |
※カメラ認証タイプは、導入するカメラの数等により大きく変動するためここでは触れません。※舗装工事や外周ブロック、フェンス等は土地状況によって変動するので、ここでは除いています。
狭い土地でコインパーキングのコスパが悪くなる理由

フラップ式が20台で400万円なのに、3台でも200万円するっていうのは、価格に差がありすぎませんか?

狭い土地で駐車場のコスパが悪くなる理由を説明するために、もう少し詳細に初期費用の項目を見てみましょう!
1.満室看板 | 土地の状況による |
2.料金看板 | |
3.引き込み柱(電気) | |
4.照明 | |
5.精算機(1台分・OPなし) | 60万円〜70万円 |
6.精算機1台分の設置費用 | 3万円〜5万円 |
7.フラップ版(1枚あたり) | 10万円〜15万円 |
8.フラップ版1枚あたりの設置費用 | 3万円〜5万円 |
1〜6は固定費といえるもので、車室数が多かれ少なかれ必ずいるものです。
ここにフラップ版の台数が追加されていくだけなので、車室数20台で400万円なのに、車室数3台でも200万円の初期費用になるわけです。
ただ確かに狭い土地だとコスパは悪いですが、それでも利益が見込めるなら、やはりコインパーキングを提案します。
管理会社と一括借上契約をすると、初期費用ゼロで運営もすべてお任せ

精算機やゲートは管理会社が持ち込むことがほとんどと言っていましたが、地主さまが直接購入することはないんですか?

駐車場管理には、大きく分けて一括借上契約をする場合と、管理業務のみを委託契約する場合とがあり、それぞれ次のような違いがあります。
管理会社が管理も運営もすべて行い、毎月固定額の賃料を地主さまに支払う方式。
売上が多くても少なくても、一定額の収益が約束された安定型。
地主さまが毎月固定費を支払って、駐車場の管理のみを管理会社に任せる方式。
売上によって高収益にも赤字にもなりうる流動型。
コインパーキングでは、圧倒的に一括借上契約の方が多いです。
その場合、初期投資として必要な設備全般は管理会社が持ち込みます。
だから地主さまは、ただただ土地を提供するだけで、初期費用はゼロ。
その後は、本当に何もせずに一定額の賃料が毎月振り込まれます。
反対に業務委託契約の場合、料金の設定や消耗品の購入など多くを地主さまが行い、管理会社は契約した内容の業務しか行いません。
また、初期費用も高くなります。
さきほど紹介したゲートやフラップ一式の金額は、あくまで駐車場管理会社用のものです。
管理会社は年間に相当数の発注をするので金額を安く抑えられていますが、地主さまが直接業者から購入する場合はもっと高額になります。

業務委託契約では、『管理』はしても『運営』はしないということですね?

一括借上契約は、契約年数が短いと賃料が減る仕組みなので要注意!
一括借上契約は5年契約とすることが多いです。
地主さまの希望によって、3年・1年・半年など契約期間は自由に変えられますが、契約期間が短いと賃料が減ってしまうので注意が必要です。

契約期間が短いと賃料が減っちゃうんですか!?

例えば300万円かけて空き地をコインパーキングにした場合、その費用を契約期間の月数で割って、毎月の収入から差し引きます。
3年で償却するのと5年で償却するのとでは、当然3年のほうが差し引く金額が大きくなるので、その分収益を圧迫してしまうわけです。
もちろん、それで地主さまにとって赤字になるようなら、最初から契約は勧めませんけどね。

5年の一括借上契約をした場合、契約期間中に賃料が見直されることはないですか?

自分で設備を買うと故障時の対応も必要。その間、売上ストップの危険性あり
一括借上契約と業務管理委託契約とでは、故障時の対応にも差がでてきます。
設備が故障したときは、一括借上契約だと管理会社がすぐに手配して修理しますが、業務委託契約だと、地主さまのものなので勝手に直せません。
設備メーカーの補償うんぬんはあるでしょうが、基本的に修理代を支払うのは地主さまだからです。
故障した箇所は、修理費用を見積り→地主さまの同意→修理のすべてが終わるまで、封鎖して使えないようにせざるを得ません。
当然その間、その車室からの売上はありませんし、ゲート設備の故障であればコインパーキング全体の売上がストップしてしまいます。
駐車場管理会社の上手な選び方

駐車場の管理会社は、どうやって選べばいいですか?

駐車場管理を専門としている会社は、それだけ「運営」が上手い
駐車場の管理会社は、知られていないだけで無数にあり、大きく次の5つに分けられます。
1 | 賃貸管理の不動産屋さんが駐車場管理もしている |
2 | 駐車場の工事業者が駐車場管理もしている |
3 | 駐車場の警備会社が駐車場管理もしている |
4 | 駐車場の機器メーカーが駐車場管理もしている |
5 | 駐車場管理の専門会社が駐車場管理をしている |
この中では5の駐車場管理の専門会社を選んで欲しいところです。
というのも1〜4は、駐車場管理は本業ではないので、『管理』はできるのですが『運営』があまり上手ではありません。
そんな彼らの特徴としては、一括借上契約を提案してこないことが多いです。
経営状態にかかわらず管理料がもらえる管理業務委託契約の方が、彼らにとって都合が良いからですね。
逆に駐車場管理の専門会社であれば、コインパーキング収益を最大化することに長けているので、一括借上契約を勧めてきます。
管理会社は、一括借上契約できるかを見ながらインターネットで検索
最近では、駐車場管理会社もインターネットから集客を図っています。
管理会社を選ぶなら、
「駐車場管理会社 地域名」
で検索するのが方法のひとつ。
ただ駐車場管理の専門会社であるかどうか分かりにくいので、しっかり見極めるようにしてください。
ポイントは、「一括借上契約ができる」ことの記載があるかどうかです。
もっと簡単な方法に、「タウンライフ」という土地活用の一括資料請求サイトを使う方法があります。
ここから資料請求できる会社はほぼ全て、一括借上契約を提案している駐車場管理会社です。
無料で利用できて、複数社に同時に資料を送ってもらえるので、比較するのにも役立ちます。
まとめ
それでは、今回の内容をまとめてみましょう!
- コインパーキングの設備はゲート式・フラップ式・チケットパークの3種類。
- 郊外の広い土地ならゲート式、街中や車室数が20台くらいまでならフラップ式、1年など短期運営ならチケットパークが向いている。
- 初期費用は、200万円〜400万円ほどがかかる。ただそれら設備は、管理会社の持ち込みがほとんど。
- 管理会社と一括借上契約をすれば、初期費用はゼロ。その後、毎月決まった賃料が振り込まれる。
- 一括借上契約の期間は5年など長めにとらないと、賃料が下がってしまう仕組みなので注意。
- 自分で設備等を購入した場合、トラブルがあったときの対応が遅れて、売上が落ちてしまう危険性あり。
- 管理会社を選ぶなら、『管理』も『運営』もできる駐車場管理の専門会社に任せるのがGood。
コインパーキング経営の概要を掴むのに必要な情報は網羅しているはずです。
次は、あなたの土地活用の一歩を踏み出すために、資料請求から始めてみましょう!